TSUTAYA・UNEXT便り

“ミセン-未生”

 

ミセン-未生-の画像・ジャケット写真

 

“サラリーマンのバイブル”と言われ、日本でもリメイクされるほど話題となった人気作
*見どころ
社会人なら誰もが共感できるストーリーと、演技派ぞろいの出演者たちの好演が見事。出生の秘密も恋愛要素もないけれど、普通の人々のドラマがスリリングで感動を呼ぶ。
*ストーリー
囲碁棋士を目指して打ち込んできたチャン・グレは結局プロになれず、知人のコネで大手商社にインターンとして採用される。だが、学歴も実力もない彼に対して上司や同期の視線は冷たい。そんな中でもグレは持ち前の粘り強さと真面目さで頑張っていく。
                             (U-NEXTより)

 

韓流ドラマに
遅ればせながらハマっている・・
夫が。

いわゆる
ドロドロの愛憎劇でなく
朝廷モノ、コメディーがお気に入りらしい。

で、このミセン
商社の歯車として悪戦苦闘するサラリーマンのふんばり、悲哀
決してスーパーマンではない
スタートラインが一歩遅れた主役の
いじらしいまでのひた向きさに
いつの間にかくぎ付けになってしまった。

ミセン-未生とは
囲碁の用語で
まだ生き石にも死に石にもなっていない
不確かな存在という意味らしい。

地味~なドラマなのだが
韓国お得意のコメディーもちりばめ
昭和歌謡を彷彿とさせる挿入曲
薔薇旅館の「ロマン」も胸に響いた。

上司役の「イ·ソンミン」が
いい味を出していた。

私は
韓国ドラマは特に
あらすじより配役で選ぶ方が多い。

男優では
この「イ·ソンミン」、「ファン・ジョンミン」、「チャ・スンウォン」、「ソル・ギョング」
「チュ・ジフン」、「ユチョン」
女優では
「ソン・イェジン」、「コン・ヒョジン」、「キム・ソナ」、「ハン・ヒョジュ」かな~

うふっ、私も結構
韓流にはまっている。。

 

評価:★★★★★

 

 

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チャイルド44 森に消えた子供たち

 

 

 

 

ジャンル:洋画サスペンス
製作年:2015年
製作国:アメリカ
原題:CHILD44
キャスト・スタッフ:
 監督:ダニエル・エスピノーサ
 製作:リドリー・スコット
 原作:トム・ロブ・スミス
 出演:トム・ハーディ、ゲイリー・オールドマン 、ノオミ・ラパス、ジョエル・キナマン

トム・ロブ・スミスのベストセラー小説をリドリー・スコット製作で映画化したサスペンス。1953年、スターリン政権下のソ連で、子どもたちの変死体が次々と発見される。秘密警察の捜査官・レオは、親友の息子の死をきっかけに事件解明に乗り出すが…。※PG12
                        (TSUTAYAより)

 

 

「社会主義国家」という「楽園」に殺人は起こり得ない。
と、いう秩序を守る為、国家保安省が暗躍する中、猟奇的な連続殺人が次々と起きていく。

レーニンの死後、党内における政争に勝利し権力を掌握したスターリン。
彼は、反政府勢力を撲滅するために密告を奨励し、秘密警察が情報の可否なく暗躍した。
主役のレオはMGB(ソ連国家保安省)の捜査官。
孤児で捜査官にまでなり、ある種の正義感を内面に秘めながらも職務に忠実に邁進し、市民から恐れられている存在。

そんな彼がある意志をもった密告により左遷され、この異常な事件の解明に動き出す。
主役のレオを演じるトム・ハーディの演技に圧倒される。
最初は悪役かと思う程のスカーフェイスだったが、内面に熱く信念を持っている男性をみごとに演じた。

この映画は次々に子供が消えていくという事件を軸にしているが、スターリン政権下の圧政、隣人の密告あるいは親が子を、子が親を・・という先が見えない恐怖感の連鎖の方が恐ろしく、この事件もまたそんな背景からくる社会状況故に生まれたような気がする。

この事件は1953年、解決をみる。
その年はスターリンの亡くなった年。

評価:★★★★☆

 

 

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「悪童日記」

 

 

悪童日記

 

  • 製作年:2013年
    製作国:ドイツ/ハンガリー
    原題:LE GRAND CAHIER 
    出演:アンドラーシュ・ジェーマント、ラースロー・ジェーマント
  •                              <TSUTAYAより>
  • 第2次世界大戦下、小さな町へ疎開した双子の兄弟が、時に残酷な手段をもってしても生き抜いていく姿を描き、世界に衝撃を与えたアゴタ・クリストフの同名ベストセラーを、クリストフの母国ハンガリーで映画化。第2次世界大戦末期。双子の兄弟が、祖母が暮らす農園へ疎開してくる。彼らは村人たちから魔女と呼ばれる意地悪な祖母に重労働を強いられながらも、あらゆる方法で肉体的・精神的鍛錬を積み重ねる。大人たちの残虐性を目の当たりにした2人は、独自の信念に従って過酷な毎日をたくましく生きぬいていくが……。
                                  <映画.comより>

    世界的なベストセラーとも知らず、よく訪問するブロガーさんのところで目にし衝撃を受け見ようと思っていた映画。

    両親と別れ疎開した先で双子の兄弟が生き延びるため過酷な現実に立ち向かい、互いに鍛え合い、鍛錬を積み重ねていく。
    いっさいの主観を交えることなく、事実のみを書くというルールを課した日記を綴りながら・・
    それは、現実を直視し、少しでも余計な思惑を抱いたら即死につながるという恐怖、或いはこんな絶悪な環境でも生き抜くという強い意志を保つためかもしれない。
    幼い兄弟を一挙に大人の様な視線を持つ子供に成長させた戦争の残虐さを思う。
    ラストは双子の一人が国境を越え、もう一人は亡くなった祖母の家に残るという形で終わる。

    お気楽な映画を見続けたせいか最後まで見れるだろうかと思ったが、二人の子供の視線に惹きつけられながら一気に見終わった。
    見終わった後暫し放心状態。

    この『悪童日記』は三部作からなる第一部。
    その後の二人の人生はどうなるのだろう・・原作を読みたいと思い
    続編を少し検索・・

    ああ、そうですかー。
    この小説は一筋縄ではいかないようだ。
    続編にあたる『ふたりの証拠』、『第三の嘘』は単なる続編の形をとっていない。
    三部作を読まない事には全体の形が見えてこないことになる。
    果たしてこの一部は必要だったのだろうかという思いも・・

    だが、戦時下という過酷な現実を取り上げたこの『悪童日記』。
    この小説の時代背景、切り口としては必要だったのだろう。
    『悪童日記』を見終わった時点ではそう思っている。

     

     

    評価;★★★★☆(4.5)

     

     

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    ブルージャスミン

     

     

    ブルージャスミン

     

     

    製作年:2013年   
    製作国:アメリカ
    原題:Blue Jasmine

     

    ウディ・アレン監督が初顔合わせとなるケイト・ブランシェットを主演に迎えて贈るシニカル・ドラマ。富豪との結婚生活が破綻し、妹のアパートに身を寄せてどん底からの再出発を図る中年女性が、セレブ生活が忘れられずに身も心もすり減らせていくさまを辛辣に描き出す。共演はアレック・ボールドウィン、サリー・ホーキンス、ピーター・サースガード。ニューヨークでのセレブ生活が崩壊し、妹の住むサンフランシスコへとやって来たジャスミン。質素な生活を送る妹の厄介になりながらも、虚栄心が捨てられずに周囲にまるで馴染めない。おのずと精神もますます疲弊していく。それでも華やかな生活を諦めることができず、再びセレブな舞台への返り咲きを期して躍起になるジャスミンだったが…。

    監督:ウディ・アレン   
    出演:アレック・ボールドウィン、ケイト・ブランシェット、アンドリュー・ダイス・クレイ、サリー・ホーキンス
    映画賞:2013年 アカデミー賞
        【主演女優賞】 ケイト・ブランシェット            
         
    2013年 ゴールデン・グローブ
        【女優賞(ドラマ)】 ケイト・ブランシェット                  
         2013年 NY批評家協会賞
        【女優賞】 ケイト・ブランシェット                  
         
    2013年 LA批評家協会賞
        【女優賞】 ケイト・ブランシェット

                             (TSUTATAより)

     

    セレブな生活から一転してどん底へ。
    贅沢放題の生活をしていた時が忘れられず、今の無一文の状態からなんとか這い上がろうと必死なジャスミン。
    セレブへの返り咲きを狙って身に着けるものは以前来ていたブランド品。
    シャネルの服、靴はロジェ・ヴィヴィエ、バックはエルメスのバーキン。
    何処へ行くにも一張羅のバーキンがわびしい。

    あるパーティーで理想的な男性に合いプロポーズされる。
    が、過去を偽ったために結婚直前になかったことに。
    これだけならセレブから転落して嘘でかためた愚かな女性・・ということになるのだろうが。

    彼女がセレブから転落するきっかけとなったのは夫の違法取引による逮捕。
    驚いたのは、これを告発したのはジャスミン自身。
    夫に捨てられての復讐。
    この行為で私のジャスミンに対する見方が変わった。

    ラストはショックで心神喪失状態で外を彷徨うジャスミンで終わるが、彼女は這い上がってセレブに返り咲くのかも~という想いが湧いてきた。

    ケイト・ブランシェット・・いろんな映画に出ているが初めて見た。
    素敵な女優・・しぐさ、動きの綺麗な女優だなあと思った。
    女優賞総なめ、納得の演技。

     

    この映画でひとつ得たもの。
    いつかはエルメスのケリーを・・と夢想・・
    ふふっ、それが消えた。

     

    評価:★★★☆☆(3.5)

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    8月の家族たち

     

    8月の家族たち

    製作年:2013年
    製作国:アメリカ
    原題:August: Osage County         

    トレイシー・レッツによるピューリッツァー賞&トニー賞W受賞の傑作舞台を、メリル・ストリープ、ジュリア・ロバーツはじめ実力派豪華キャストの競演で映画化した群像コメディ・ドラマ。父親の突然の失踪をきっかけに、オクラホマの実家で久々に顔を揃えた母親と三姉妹が繰り広げる濃密な愛憎の行方を描く。監督は「カンパニー・メン」のジョン・ウェルズ。8月のある暑い日。父親が失踪したとの知らせに、滅多に顔を合わせない三姉妹がオクラホマの実家に集まる。長女のバーバラは反抗期の娘に手を焼き、夫との関係にも問題を抱えていた。自由奔放な三女カレンは怪しげな婚約者を同伴し、ひとり地元に残る次女アイビーはいまだに独身のまま。そんな娘たちを、毒舌家の母バイオレットが迎えるが…。   

    出演:メリル・ストリープ、ジュリア・ロバーツ、ユアン・マクレガー、クリス・クーパー、アビゲイル・ブレスリン 

                                    <TSUTAYA より>

      

    舞台は米オクラホマ州の片田舎、8月の暑さは相当らしい。
    その暑さにより、耐えていた身体や神経が押し出されたように登場人物たちが自分の本心をさらけ出す。

    父親が失踪したことから、否応なく現実を直視し話し合わなければならなくなった家族。
    その家族もそれぞれ問題を抱えていた。

    何もなければ表面的には平穏に過ぎていく時間が言葉が相手を突き刺す。
    他人だったらそこまで言えない、言う理由もない。
    やはり家族だからなんでしょうねー。

    メリル・ストリープ演じる母親は毒舌家で利己的な女性に描かれているが、長きに亘り内面に複雑な思いを抱いており、家族を見る視線は誰より正確。
    ジュリア・ロバーツ演じる長女は、私生活において問題を抱えており、自分も年を経、母親と対峙するうちに理解する気持ちが芽生えてきたのではないだろうか。
    ラストシーンをみてそんな風におもった。

    見終わって疲れてしまった。
    家族間の問題は年を経て、多かれ少なかれ経験することなので、身につまされるからだろうか。

    評価;★★★★☆

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    オレンジと太陽

    オレンジと太陽

  • 製作年:2010年
    製作国:イギリス
    原題:ORANGES AND SUNSHINE
  •  

    これが記念すべき長編劇映画デビューとなるジム・ローチ監督が、イギリスとオーストラリアの間で1970年まで行われていた忌まわしき“児童移民”の実態とそれがもたらした悲劇を描いた社会派ドラマ。実在の女性マーガレット・ハンフリーズの手記を基に映画化。主演は「奇跡の海」のエミリー・ワトソン。1986年、イギリス、ノッティンガム。ある日、ソーシャルワーカーのマーガレットは、自らのルーツを調べるべくオーストラリアからやって来た女性シャーロットの相談を受ける。ノッティンガムの児童養護施設にいた彼女は、4歳の時に突然ほかの数百人の子どもたちと一緒にオーストラリアに送られたという。にわかには信じがたい話に衝撃を受け、調査を開始するマーガレットだったが…。   

    監督:ジム・ローチ    
    出演:エミリー・ワトソン、デヴィッド・ウェナム、タラ・モーリス 

                                <TSUTAYAより>

     

    いつか見たいと思っていた映画、「オレンジと太陽」。
    魂が揺さぶられるとはこういう感じなのだろうか。
    救いのないほど残酷で陰湿な世界がそこにはあった。

    1986年、ソーシャルワーカーのマーガレットをオーストラリアからやって来た女性シャーロットが訪ねてくる、「私が誰なのかを知りたい」・・この言葉の悲痛さが全編を通して伝わってくる、マーガレットもこの言葉で調査に立ちあがったのだろう。

    19世紀から1970年までイギリス政府は、施設に預けられていた子どもたちを児童移民として植民地に送っていた。その数はおよそ13万人にもなるという。
    多くの子どもたちは、労働力として使われ、精神的、肉体的、性的虐待を受けるなど、悲惨な状況におかれた。
    この行為には、政府、教会、慈善団体も深く関わっていた。

    マーガレットの気の遠くなるような地道な調査で、少しずつ事実が解明されてくる。
    2009年にはオーストラリアが、2010年にはイギリスが、事実を認め、正式な謝罪を行った。
    その後、彼女は児童移民トラストを立ち上げ、イギリスとオーストラリアの両国で、今も児童移民を支援する活動を行っている。

    映画自体は、悲惨な内容をこれでもかと見せつけるのではなく、全編に渡って、抑制のきいた流れで淡々と事実を丁寧に描いている。
    その事によって、移民した人たちの悲痛な思いが余計深く伝わってくるのだった。

    タイトルの『オレンジと太陽』は、
    施設の児童に移民を促す男性の言葉、
    「オーストラリアはいいところだぞ、毎日太陽が輝いて、毎朝、オレンジをもいで食べるんだ・・」

    ジム・ローチ監督は、敬愛するケン・ローチ監督の息子、切り口は違うが精神はしっかり受け継いでいるようだ。

    児童移民トラスト

    評価:★★★★★

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    天使の分け前

    天使の分け前

    製作年:2012年    製作国:イギリス/フランス/ベルギー/イタリア
    原題:The Angels’ Share

    「ケス」「麦の穂をゆらす風」の名匠ケン・ローチ監督が、荒んだ環境に生まれ育ったスコットランドの若者を主人公に描く感動のハートフル・コメディ。暴力に明け暮れる青年が、ウイスキーが取り持つかけがえのない出会いをきっかけに初めての希望を見出すさまを、スコッチウイスキーの奥深い世界とともにユーモラスかつ痛快に描き出す。スコットランドの中心都市グラスゴー。暴力が日常と化した日々を送る青年ロビーは、恋人の妊娠をきっかけに心を入れ替えようと決意するも、再び暴力事件を起こしてしまい、裁判所から300時間の社会奉仕活動を命じられる。そこで彼が出会ったのが、同じく社会奉仕を命じられた男女3人の若者と、彼らの指導にあたるウイスキー愛好家の中年男ハリーだった。

    監督:ケン・ローチ       
    出演:ポール・ブラニガン、ジョン・ヘンショウ、ガリー・メイトランド、ジャスミン・リギンズ   
    映画賞:2012年 カンヌ国際映画 【審査員賞】 ケン・ローチ

                                     <TSUTAYA より>

    罪を犯し、社会奉仕活動で出会った4人、この先希望のある展開を予想もできないシーンから始まった映画だが、最後まで楽しめた。

    主演はこの映画が初出演と言うポール・ブラニガン、小柄だが時折見せる表情が実に魅力的、彼がウィスキーのテイスティングの才能に目覚め、幻のモルトの入っている樽からほんの少しだけ盗んでも売りさばこう・・誰も分からないから・・という計画、この最低の生活から抜け出すために・・

    スコットランドは現在非常に揺れ動いており、若者の失業、経済格差など国民の生活は不安定、そんな中でも低層階級の4人組み。
    誰も傷つけていないが、やった事は犯罪。
    でも、それで、彼らが生きていく足掛かりになれば目をつむってやろうじゃないかと、見ている側がが片目を閉じているような・・

    タイトル「天使の分け前」とは、樽の中での熟成中、年に2パーセントほど蒸発するその減り分のことをいうらしい。

    社会派ケン・ローチ監督の作品は初めて。
    支持される理由はやはり映画を見てみないと分からない。
    映画全体に流れる目線がやさしいユーモアに包まれていて、悲惨な内容なのに暗く、落ち込むことなく最後まで鑑賞。

    また、ひとり、好きな監督が出来た。

    評価:4.5/5

     

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    クロワッサンで朝食を

    クロワッサンで朝食を

    • 製作年:2012年
    • 製作国:フランス/エストニア/ベルギー
    • 原題:UNE ESTONIENNE A PARIS

    エストニアの新鋭、イルマル・ラーグ監督が母親の実話を元に描く感動作。憧れのパリにやって来た家政婦と、裕福だが孤独な老婦人という境遇の異なるふたりが、反発しながらも固い絆で結ばれていく。主演は『死刑台のエレベーター』のジャンヌ・モロー。

    出演:ジャンヌ・モロー、ライネ・マギ、パトリック・ピノー

                                     <TSUTAYA より>

    登場人物は家政婦、老婦人、老婦人の愛人だった家政婦と同年配の男性3人のみと言っても過言ではなく、美しいパリを背景に、舞台劇にしてもよいくらい3人の感情の揺れ動きを推し量りながら話は進んでいく。

    老婦人フリーダを演じる85歳のジャンヌ・モローはさすがに老醜は目立つが、その存在感は圧倒的、裕福な老人らしく妥協はいっさい許さない偏屈な強い女性・・だが、シルクをまとい、女性としての魅力も失わない。
    憧れのパリにやってきた家政婦アンヌを演じるのは、エストニアの女優ライネ・マギ、つつましやかだが芯のしっかりした老年にさしかかった女性、出身がバルト三国のエストニアという揺れ動いてきた国の者同士という想いもあるのでしょうか、老婦人の信頼を少しずつ得ていく。
    パトリック・ピノー演じるアンヌの雇い主ステファンは、フリーダの昔の年下の恋人・・煩わしいと思いながらも老婦人から目が離せない。

    パリという街は女性を魅了するとともに綺麗にさせる・・垢抜けなかったアンヌがすれ違う男性を振り返させるくらいにきれいに・・夢見心地で真夜中のパリを散策するところは「ミッドナイト・イン・パリ」を彷彿させる。

    信頼関係が芽生え始めたフリーダとアンヌがおしゃれをし、腕を組んで歩く姿はほほえましくホッとする。
    だが、プライドが強く、束縛されることを何より嫌う老婦人との間に亀裂が入り、家政婦は出ていくことに・・
    戻ることを望む老婦人は、戻ってきた家政婦に「ここは、あなたの家よ」と言ってにこやかに迎える・・

    一筋縄ではいかない老婦人、アンヌとステファンがベッドを共にした事を知ったうえで、にこやかに出迎え、映画は終わる・・何か含みをもった余韻が残るのだが・・

    アンヌ演じるライネ・マギは、ほっそりとした、立ち姿のきれいな女優、ジャンヌ・モローに「彼女は、まさに発見です」と言わしめた逸材だという。
    ジャンヌ・モローの最新作でポルトガルの港街を舞台にした「家族の灯り」も見てみたい。

    評価:3.5/5

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    ミッドナイト・イン・パリ

    ミッドナイト・イン・パリ

    製作年:2011年
    製作国:スペイン/アメリカ
    原題:Midnight in Paris

      本国アメリカではウディ・アレン監督作としては最大ヒットとなったチャーミングなファンタジー・コメディ。ハリウッドで脚本の仕事をする作家志望のアメリカ人男性が、婚約者とともに向かったパリで居場所をなくし、真夜中にひとり街を彷徨っていたところ、ヘミングウェイやフィッツジェラルド、ピカソといった伝説の作家や芸術家たちが集う憧れの1920年代パリに迷い込み、幻想的で魅惑的な時間を過ごすさまを、ノスタルジックかつロマンティックに綴る。主演は「マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと」のオーウェン・ウィルソン。共演にレイチェル・マクアダムス、マリオン・コティヤール、キャシー・ベイツ。また、フランス大統領夫人カーラ・ブルーニの出演も話題に。

    監督:ウディ・アレン   
    脚本:ウディ・アレン   
    出演:キャシー・ベイツ、エイドリアン・ブロディ、カーラ・ブルーニ、マリオン・コティヤール、レイチェル・マクアダムズ、マイケル・シーン、オーウェン・ウィルソン   
    映画賞:2011年 アカデミー賞
              【脚本賞】 ウディ・アレン                  
        
       2011年 ゴールデン・グローブ
          【脚本賞】 ウディ・アレン

                                                     <TSUTAYA より>

    アイロニカルなユーモアに溢れたアレン作品とはちょっと毛色が違う、豪華な大人のファンタジー映画です。

    作家志望のアメリカ人男性ギル(オーウェン・ウィルソン)は、街を彷徨っているうちに憧れの芸術家が生きていたゴールデンエイジと呼ばれる1920年代のモンパルナスのあたりに迷い込み、ジャン・コクトー主催のパーティーで、コール・ポーター、フィッツジェラルド夫妻、ヘミングウェイ、ダリらと遭遇、そして、ピカソの愛人であるアドリアナに会い、魅了される。
    そこでギルは、この時代に暮らすアドリアナにとっては、1920年は退屈な時代で、ドガやゴーギャンのいた1890年代に憧れている事を知り驚くとともに、自分が今現在生きている時代に背を向けず,直視しなければ・・と気付く・・明日に向かって・・

    と、いうストーリーですが、主役はパリの街・・雨にぬれた歩道がきらめく幻想的な夜のパリの街も魅惑的です。
    パリの観光案内かと思うほど時間をかけたオープニング、ジヴェルニー「モネの家と庭園」、オランジュリー美術館、ジャン23世公園、ヴェルサイユ宮殿、タイムスリップした夜のパリ・・1920年代のファッション、インテリアの豪華なこと。
    そして、婚約者役のレイチェル・マクアダムスと母親のファッションも見もの・・カジュアルスタイルにシャネルのショルダーバッグ、母親はキチッとしたスーツにエルメスのバーキン、いくつかのボストンバッグがゴヤール・・それだけで、この母娘のバックボーンが想像できる。
    対するギルはというと、ブルーのシャツにチノパンという典型的アメリカン・ファッション・・このチグハグさでストーリーの結末が予想できるような。

    長年、パリに恋い焦がれ、ギルに自分を置き換え、楽しみ、堪能しながら作った・・そんな映画・・後半、ギルと雨の中、夜のパリの街に消えていく女性・・レア・セドゥー・・アレン好みの女優です。

    この映画は日本でかなりの観客を動員したらしく、監督自身が感謝のコメントを寄せている。
    日本の女性はパリが好きですからねー、ブログでも余裕のある中年女性のパリ滞在記が花盛り・・指をくわえて見ている私はこれで夜のパリを満喫しましょうか・・

    評価:★★★★☆

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    ブエノスアイレス

    ブエノスアイレス

    監督:ウォン・カーウァイ               
    撮影:クリストファー・ドイル
    出演:トニー・レオン、レスリー・チャン、チャン・チェン   
    映画賞:
    1997年 カンヌ国際映画 【監督賞】 ウォン・カーウァイ

    90年代を代表する映画作家、「欲望の翼」「天使の涙」のウォン・カーウァイが、南米はブエノスアイレスを舞台に、さすらうゲイの男二人の人生模様を鮮烈に綴った一編。デビュー以来一貫して香港を舞台にしてきたウォン監督が、初めて国外、しかもかねて彼が興味を寄せる、南米はブエノスアイレスを主要な舞台としてロケし、さらに初めて同性愛を題材に扱ったことも、話題となった。主演は香港はじめ中華圏を代表する二人の大スター、レスリー・チャンとトニー・レオン。撮影のクリストファー・ドイル、美術・編集のウィリアム・チョンは前作「天使の涙」に引き続いて参加した言わずと知れたカーウァイ組の常連。 

                                  <TSUTAYA、映画.comより>

    なんとも辛く、悲しく、はかなく、そして美しい映画でした。
    ウォン・カーウァイ監督にどっぷりはまってしまいました。

    舞台はブエノスアイレス・・一度行ってみたい場所のひとつ、この映画をみた要因のひとつ・・この地の反対側が香港あたり、そして、あえて異邦人として描きたかったのかもと思う。

    男性同士の関係を異質に感じたのも最初の内、見ているうちに男女の恋愛となんら変わりなく、相手を想うトニー・レオン演じるファイの悲しみが痛いほど伝わってくる。
    そして、相手のウィン、勝手気儘で、自由奔放でファイをふりまわす・・こういう人は魅力的なんですよねー・・そして、穏やかなチャン・チェン演じるチャンの登場で人生模様が少しずつ変化していく。
    この三人を独特の長まわしで、表情、動作を撮っていく・・そして、クリストファー・ドイルのあの映像テクニック、なんともいえないブルーとイエローの映像世界・・琴線に触れた人を惹きつけてやまないのはここなんでしょうか。

    ただ、この監督の耽美的な美意識に共感できない人にとっては、退屈な映画となるのかも・・相方は早々に切り上げました。

     

    評価:★★★★☆

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