「悪童日記」
製作国:ドイツ/ハンガリー
原題:LE GRAND CAHIER
出演:アンドラーシュ・ジェーマント、ラースロー・ジェーマント
第2次世界大戦下、小さな町へ疎開した双子の兄弟が、時に残酷な手段をもってしても生き抜いていく姿を描き、世界に衝撃を与えたアゴタ・クリストフの同名ベストセラーを、クリストフの母国ハンガリーで映画化。第2次世界大戦末期。双子の兄弟が、祖母が暮らす農園へ疎開してくる。彼らは村人たちから魔女と呼ばれる意地悪な祖母に重労働を強いられながらも、あらゆる方法で肉体的・精神的鍛錬を積み重ねる。大人たちの残虐性を目の当たりにした2人は、独自の信念に従って過酷な毎日をたくましく生きぬいていくが……。
<映画.comより>
世界的なベストセラーとも知らず、よく訪問するブロガーさんのところで目にし衝撃を受け見ようと思っていた映画。
両親と別れ疎開した先で双子の兄弟が生き延びるため過酷な現実に立ち向かい、互いに鍛え合い、鍛錬を積み重ねていく。
いっさいの主観を交えることなく、事実のみを書くというルールを課した日記を綴りながら・・
それは、現実を直視し、少しでも余計な思惑を抱いたら即死につながるという恐怖、或いはこんな絶悪な環境でも生き抜くという強い意志を保つためかもしれない。
幼い兄弟を一挙に大人の様な視線を持つ子供に成長させた戦争の残虐さを思う。
ラストは双子の一人が国境を越え、もう一人は亡くなった祖母の家に残るという形で終わる。
お気楽な映画を見続けたせいか最後まで見れるだろうかと思ったが、二人の子供の視線に惹きつけられながら一気に見終わった。
見終わった後暫し放心状態。
この『悪童日記』は三部作からなる第一部。
その後の二人の人生はどうなるのだろう・・原作を読みたいと思い続編を少し検索・・
ああ、そうですかー。
この小説は一筋縄ではいかないようだ。
続編にあたる『ふたりの証拠』、『第三の嘘』は単なる続編の形をとっていない。
三部作を読まない事には全体の形が見えてこないことになる。
果たしてこの一部は必要だったのだろうかという思いも・・
だが、戦時下という過酷な現実を取り上げたこの『悪童日記』。
この小説の時代背景、切り口としては必要だったのだろう。
『悪童日記』を見終わった時点ではそう思っている。
評価;★★★★☆(4.5)
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コメント
こんばんは
悪童日記
見ごたえありましたでしょう!映画化されたと聞いた時、あの複雑な三部作を監督はどのように表現したのだろうといったことにも興味あったわけですが・・・
映画としては、第一部にとどめるほうが戦争が子どもの世界に及ぼす影響がより簡潔な形で、観客に伝わりやすい形で、表現できたということでしょうね。
また、文章表現だからこそ、三部でひとつの作品。おかれた環境の中での彼の心理面に深く食い込んだ内容が可能だったのだと思います。
是非、二部、三部読んでみてくださいネ。
投稿: bluerobin2 | 2015年4月14日 (火) 18時50分
☀bluerobin2さん
「文盲:アゴタ・クリストフ自伝」もお読みになったんですよね、彼女の処女作というのもびっくりです。
>映画としては、第一部にとどめるほうが戦争が子どもの世界に及ぼす影響がより簡潔な形で、観客に伝わりやすい形で、表現できたということでしょうね。
また、文章表現だからこそ、三部でひとつの作品。おかれた環境の中での彼の心理面に深く食い込んだ内容が可能だったのだと思います。
ほんとにそうですね。
いつの時代も力による支配とされる側の構図は背景は違っても変わりませんね~~
投稿: 白いねこ | 2015年4月15日 (水) 11時38分