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『雪崩の時』

12月17日

2014_12170010



カーテンを開くと小雪が散っていた。
あまりにはかなげできれいだったので写真を撮って
みた。

雪が降っているようには見えない出来上がり。
窓ガラスが汚れているようにしか見えない。


先日の選挙で安倍政権の継続が決まった。
自民党は圧勝というが、
投票率は最低の52.36%。
国民のあきらめといら立ちの声が聞こえて来る数字。

首相は「2年間の安倍政権に信任を頂いた。
国民に丁寧に説明して政策を進める」と強調した。



どこかで見た詩


『雪崩の時』     石垣 りん


  ひとは
  その時が来たのだ、という
  雪崩のおこるのは
  雪崩の季節がきたため、と。

  武装を捨てた頃の
  あの永世の誓いや心の平静
  世界の国々の権力や争いをそとにした
  つつましい民族の冬ごもりは
  色々な不自由があっても
  またよいものであった。

  平和
  永遠の平和
  平和一色の銀世界
  そうだ、平和という言葉が
  この狭くなった日本の国土に
  粉雪のように舞い
  どっさり降り積もっていた。

  私は破れた靴下を繕い
  編み物などしながら時々手を休め
  外を眺めたものだ
  そして ほっ、とする
  ここにはもう爆弾の炸裂も火の色もない
  世界に覇を競う国に住むより
  この方が私の生き方に合っている
  と考えたりした。

  それも過ぎてみれば束の間で
  まだととのえた焚木もきれぬまに
  人はざわめき出し
  その時が来た、という
  季節にはさからえないのだ、と。

  雪はとうに降りやんでしまった。

  降り積もった雪の下には
  もうちいさく 野心や、いつわりや
  欲望の芽がかくされていて
  ”すべてがそうなってきたのだから
  仕方がない”というひとつの言葉が
  遠い嶺のあたりでころげ出すと
  もう他の雪をさそって
  しかたがない、しかたがない
  しかたがない
  と、落ちてくる。

  嗚呼、あの雪崩、
  あの言葉の
  だんだん勢いづき
  次第に拡がってくるのが
  それが近づいてくるのが

  私にはきこえる
  私にはきこえる。






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コメント

石垣 りんの『雪崩の時』 ははじめて読みました。
鋭い彼女の感覚がピリピリと伝わってきました。
かつて、『シジミ』など好きで読んでいました。
ああいう感覚は自分にもあるなぁ~と。。
それを言葉にできるかどうかが詩人との大きな隔たりでしょうね。

この国はどこへ向かうのでしょう。
他人事ではない何かが見え隠れしているようで怖い気持ちです。。

投稿: komichi | 2014年12月21日 (日) 14時59分

*komichiさん
この詩は昭和26年に書かれたものです。
私がまだ生まれてなかった時代に書かれたのに、
現在書いたと言われても何の違和感も感じない・・
今、感じている空気感を表していて驚きました。

言葉の力は大きいですね。。

投稿: 白いねこ | 2014年12月21日 (日) 21時36分

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