
製作年:2012年 製作国:イギリス/フランス/ベルギー/イタリア
原題:The Angels’ Share
「ケス」「麦の穂をゆらす風」の名匠ケン・ローチ監督が、荒んだ環境に生まれ育ったスコットランドの若者を主人公に描く感動のハートフル・コメディ。暴力に明け暮れる青年が、ウイスキーが取り持つかけがえのない出会いをきっかけに初めての希望を見出すさまを、スコッチウイスキーの奥深い世界とともにユーモラスかつ痛快に描き出す。スコットランドの中心都市グラスゴー。暴力が日常と化した日々を送る青年ロビーは、恋人の妊娠をきっかけに心を入れ替えようと決意するも、再び暴力事件を起こしてしまい、裁判所から300時間の社会奉仕活動を命じられる。そこで彼が出会ったのが、同じく社会奉仕を命じられた男女3人の若者と、彼らの指導にあたるウイスキー愛好家の中年男ハリーだった。
監督:ケン・ローチ
出演:ポール・ブラニガン、ジョン・ヘンショウ、ガリー・メイトランド、ジャスミン・リギンズ
映画賞:2012年 カンヌ国際映画 【審査員賞】 ケン・ローチ
<TSUTAYA より>
罪を犯し、社会奉仕活動で出会った4人、この先希望のある展開を予想もできないシーンから始まった映画だが、最後まで楽しめた。
主演はこの映画が初出演と言うポール・ブラニガン、小柄だが時折見せる表情が実に魅力的、彼がウィスキーのテイスティングの才能に目覚め、幻のモルトの入っている樽からほんの少しだけ盗んでも売りさばこう・・誰も分からないから・・という計画、この最低の生活から抜け出すために・・
スコットランドは現在非常に揺れ動いており、若者の失業、経済格差など国民の生活は不安定、そんな中でも低層階級の4人組み。
誰も傷つけていないが、やった事は犯罪。
でも、それで、彼らが生きていく足掛かりになれば目をつむってやろうじゃないかと、見ている側がが片目を閉じているような・・
タイトル「天使の分け前」とは、樽の中での熟成中、年に2パーセントほど蒸発するその減り分のことをいうらしい。
社会派ケン・ローチ監督の作品は初めて。
支持される理由はやはり映画を見てみないと分からない。
映画全体に流れる目線がやさしいユーモアに包まれていて、悲惨な内容なのに暗く、落ち込むことなく最後まで鑑賞。
また、ひとり、好きな監督が出来た。
評価:4.5/5
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