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キラッとひかるセンス


生活するうえでの基本を決定づけたといっても過言ではないかもしれない本・・・



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高峰秀子さん著『いいもの見つけた』
昭和57年発行・・小ぶりで割と薄くて1,200円・・当時としてはけっこうなお値段だった。

巻頭に載っているご自身の言葉
『年の功より亀の甲と言うけれど、人間商売を五十余年も続けていれば、誰でも白髪と一緒に苔も生えて来る。私にも私なりの苔が生え、もともと頑固な生まれつきらしい私は、いよいよ「老いの一徹」とでもいうのか、嫌いなものはすべてブッ飛ばし、好きなものはなめてもいいほど愛おしくなる、というほど「好き嫌い」が激しくなった。困ったことである。・・・』

そのなめてもいいほど愛おしくなった「いいもの」ばかりが載った本・・目からうろこ・・その用途以外の使い道を見つけ出す審美眼の持ち主です。。




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右は自分より先に逝くだろうご主人のための「骨壺」、冷えるだろうと漆塗りの木製品、左はなまめかしい桜の柄の染付・・もとは煙草盆に入っていた火入れらしいが、彼女は花入れとして使っていたらしい。。




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これはハンドバッグの中仕切り、いまでこそ「バッグインバッグ」でよりどりみどり、当時は手に入るような種類ではなかった。

高峰さんは粋筋の袋物やで手に入れたらしい。

高価なものは真似できないが、この本の中から参考にしているもの・・・小さな「片口、両片口の食器」、病人のお見舞いに「ガーゼのバスタオル」、軽く、柔らかく、乾きやすいという点で何にでも使えそう、そして、小さな引き出しに入る「区切りの付いたプラスチックの小物入れ」、バラバラに散っているこまごまとした必要品の整理に便利、彼女はこれを釣道具やさんで見つけたらしい。

この本を買ってから何十年とたった今でも、洋服や着物、靴、バッグ、コート・・物を買う時・・この本が頭をよぎるのです。。




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徒然の読み物」カテゴリの記事

コメント

いやあ、思わず読んでみたいと思いました。
白いねこさんの、うまくまとめられた紹介文のうまさ!
そしてバックインバックにも目をつけていた著書の実用性のあるセンス。
高峰さんのエッセーは好きでしたが、この本は書店で見かけそのまま…。ザンネン

投稿: うらら | 2013年3月 8日 (金) 08時12分

こんにちは
読み流す本、再読はないだろうが印象深く手放せない本、くりかえし開けては生活のあるいは考え方の参考にできる本・・・・本にもいろいろありますが、いい本と出合っておられますね。

この「バックインバック」シンプルでなかなかいいですね。
私も、一つ持ってますが・・・・工夫が行きとどき過ぎてせっかく区分けしたはずが「あら、どの区切りに入れたんだっけ」ってこともよくあり、こういったものは軽く、単純な形、見やすい形がやはり使いよいですね。何でもそうですが必要にかられてできた最初がいい。そのあとに登場するものは作り手の余計な[工夫]が入り込む。作った人の楽しみと化すって思うんです。一寸袋とは外れますが最近の携帯電話など、私にとっては余計なものがくっつき過ぎ・・・!です。

投稿: bluerobin2 | 2013年3月 8日 (金) 10時44分

*うららさん
デヘヘ・・うららさんの人を引き込む文章力にはまだまだ・・。

高峰さんに心酔している女性は多いですねー、私はそこまでいってないのですが、良い師匠に恵まれたんでしょうか・・エセを見破る眼は鋭いです。

むか~し、勤務していたビルの隣に「ピッコロモンド」という骨董のお店があり、そこが高峰さんのお店だったと知ったのは大分後の事でした。。

投稿: 白いねこ | 2013年3月 8日 (金) 11時55分

*bluerobin2さん
この本の半分は写真が占めており、時代の差はあれ物の価値観は変わらないので、私にとっては参考書のようなものです。

そうなんですよねー、sinple is bestはどの分野でも最良、仰る通り携帯はその最たるもの・・日本人は器用貧乏なんでしょうか、日本全体がガラパゴス化しているような気が・・。。

投稿: 白いねこ | 2013年3月 8日 (金) 12時05分

高峰秀子さんのエッセイには定評があって、以前「わたしの渡世日記 」や骨とう品のことを書いたエッセイなど・・・この「いいもの見つけた」も読みました。
「ピッコロモンド」のことも折々ふれて…彼女の骨董好きは半端ではなかったことを証明しています。。
彼女の知性とはっきりした価値観は当時から群を抜いていたような気がします。
子役時代からたくさんの大人の中で、素晴らしい人を見ぬき、そこから学んだ聡明さが魅力ですね。。

投稿: komichi | 2013年3月 8日 (金) 22時11分

*komichiさん
いまや「ピッコロモンド」は知る人ぞ知るという感じですが、当時はあまり知られていなかったように思います。
ガラス張りで2坪ほどの店内には西洋骨董が・・でも、いつも鍵がかかっているお店というイメージでした。

ご夫婦揃って食べることが大好きで、ありあわせの材料でチョコチョコと作れる「台所のオーケストラ」も愛読書です~。。

投稿: 白いねこ | 2013年3月 9日 (土) 01時54分

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